「こそあど」を理解して、文章の理解力を高めよう!

今回は国語のテストに関するお話をします。特に中学・高校のテストになって出てくる問題に、『線①の「この」とはどの部分を指していますか。前の段落から10文字以内で抜き出して答えなさい。』といったような「こそあど」に関する理解度を求めてくるものがあります。それらは一見大した事ではないように感じられますが、実は話の内容で大きな役割を果たす事があるんです。

【「こそあど」の重要性】

「この・その・あの・どの」をひとまとめにして、「こそあど」と教える学校や先生がいます。全てそれだけでは意味を成さない、何かを指し示している補助的な言葉ですよね。これが国語のテストでは実に問題にしやすいんです。しかも、話の中で重要な部分を理解しているか試す問題でもあるため、「こそあど」が何を示しているのかはしっかりと掴む必要があるんです。

【順接・逆接を示す言葉の重要性】

「こそあど」が何かを指し示す上での重要な言葉として重要なように、「そして」「それから」「さらに」「また」などの前の文を受けて話が発展していくきっかけになる言葉や、「だが」「しかし」などの前の文とは反対の方向に話が変わる言葉も文章を理解する上で大切になっています。そして、これも国語のテストで問題にしやすいんです。『文章の中で、話が大きく変わっている部分があります。その最初の文を20字以内で抜き出しなさい』といった具合に、文章全体の流れを掴んでいるかを試す問題に多いのが、この「順接・逆接」の言葉を理解しているかなんですね。

【実況してみる】

「は?」と思われる見出しですが、何かの物事を実況してみるというのは「こそあど」や「順接・逆接」を使いこなすには有効な手段なんです。プロレスやボクシング、柔道などで、一見有利と思われる選手が一転して返し技にかかってピンチになるシーンを見たことがあるでしょう。それを実況すると、「さぁ!○○選手が得意の背負い投げの体勢に入った~!あ~っと!『しかし』バランスを崩して倒れこんでしまった!!△△選手、押さえ込みに入りました!『これ』は○○選手大ピンチだ~っ!」

とても解りやすいと思いませんか?前半で○○選手圧倒的有利な話が、『しかし』で一転。△△選手の押さえ込みで大ピンチに陥ったというシチュエーションが、簡単に作れてしまうんです。実際のスポーツ中継でもいいですし、ゲームや遊びのワンシーンを思い出して文章にしてみるのもいいでしょう。やり方は沢山ありますが、結果として「それらの用語を上手に使いこなせることができればいいんです」。

【マンガや小説は「こそあど」と「逆接」だらけ】

マンガにしても小説にしても、頻繁に「こそあど」が使われます。いちいち対象になる単語を使うのはナンセンスですから、自然と「こそあど」の出番も多くなります。さらに、ストーリーを形成する上で、最初から最後まで順風満帆、何の問題もなく話が終わってしまうようでは面白くありません。4コママンガでも長編小説でも、多くは「話の転換や立場の逆転」で盛り上がり、ハラハラドキドキし、最後は「あ~、面白かった」と感じることができます。これも「逆接」を上手く利用しているからなんですね。