時間の計算も身近な話題で!会話を通して時間に強くなる!

割り算や分数と並んで算数嫌いになるものに、「時間の計算」があります。10進法(10を単位にした数字の世界)の生活に慣れているところが60進法(60を単位にした数字の世界)になってしまい、パニックになってしまうのは、子供の頃に多少なりとも経験をしてこられたのではないでしょうか。大きくなれば「10時10分の25分前は9時45分だ」とすぐに解りますが、その仕組みをしらないお子さんにとって、それは不思議な感覚でしょう。

【実際の約束ごとなどで30分後の計算をさせる】

他のテーマでもお話していることですが、勉強だと思わずに、実際の生活の中で体験するのが最も馴染みやすく、覚えやすい方法です。時間についても同じ。「後30分したら晩御飯だよ!何時かわかるかい?」と日常会話の中でさりげなく問いかけをしてみましょう。そこで正解を答えられなかったときに、アナログ時計を使って「今ここだから、30分後はここ。だから何時に晩御飯だからね」と教えてあげるのが効果を発揮します。

もちろん、1度や2度では覚えきえないでしょう。根気良く、今から30分後は何時何分かを徹底的に問いかけてみましょう。なぜ30分後にこだわるのかはお解りいただけるでしょうか。それは、時間をまたぐ場合とまたがない場合の計算を最も解りやすくできるのが「30分」という長さだから。9時25分の30分後は9時55分。これは簡単に解るでしょう。ならば、時間をまたぐ9時35分の30分後はどうするか。時計の針の丁度反対側をみれば、30分後の時間は10時5分だと解りますよね?まずはそれを覚えさせることです。

30分後の計算がスムーズにできるようになったら、35分後、45分後、55分後といったステップへ進みます。理屈は単純です。30分後の更に何分後かを計算できれば時間の把握はできたも同然。後はその逆、「何分前」を理解してもらうことだけです。これも「30分前」からスタートすれば、25分前でも55分前でも計算ができるようになります。

【10進法は5や10の単位、60進法は30や60の単位が覚えやすい】

これも大人になれば解る話なんですが、普段10進法で物事を考えている私たちにとって、5と10は非常に計算しやすい数字なんですね。子供の頃「九九」を暗記したときに、5の段だけとても解りやすかった記憶はありませんか?6の段や7の段で間違えることはあっても、5の段だけはスラスラと覚えられる子がとても多いんです。その理由は、一の位が5と0しかないから。5、10、15、20と、非常に解りやすい数の増え方をしていますよね?

これと同じように、時間の計算は30と60を基本に考えるのがお勧めです。60分後は丁度時計の長針が1周した時間ですし、30分は長針が丁度反対向きになる時間です。この基本を頭に入れさえすれば、18分前だろうと47分後だろうと簡単に計算できるようになります。60進法には60進法の考え方があるということですね。まずは日常会話で「30分後、30分前」を自然に覚えさせる。その後、応用として他の数字を当てはめて考える力を養うのが、時間を計算するためのオススメ法です。