髪の毛はなぜ伸びる?身体への関心は理科好きへの第一歩

これをお読みのお父さん・お母さんは、理科はお得意だったでしょうか?高校になると生物・化学・物理と細分化されますが、小中学校では基本的に「理科」と一教科にまとめられていますよね?この教科は日頃の何気ない疑問が興味や関心につながって、それを調べてみよう、解明してみようと行動に移せるかがカギになります。

【髪の毛や爪はなぜ伸びる?】

非常に大雑把な質問ですが、髪の毛はなぜ伸びるんでしょう?お父さんのひげはなぜ伸びるのに、お母さんにはひげがないんでしょう?手や足の指に生えている爪はどうして途中から白い色になって伸びるんでしょう?身体の中で起きている当たり前の現象を、「なぜなんだろう?」と考え始めることができたらチャンスです。

人間の髪の毛やひげが生えてくるのは、皮膚の奥にある毛母細胞に血液が栄養を運んできて、そこから毛の形となる細長い物体が成長をしていくしくみになっているんですね。のびている毛は硬質ケラチンと呼ばれる物質に満たされて死に、後から後から作られる新しい毛に押し出されて皮膚から出てきます。普段見ている髪の毛やヒゲは、黒い(たまに白い)一本の線ですが、顕微鏡でみてみると細かなウロコが綺麗に並んでいる集まりだということが解ります。このウロコのことを「キューティクル」といい、綺麗に並んでいなかったりめくれ上がっていたりすると、髪の毛は傷ついている状態です。

このように、髪の毛の仕組みや構造を伝えることはできます。そして、最近はインターネット画像で多くの顕微鏡写真も見ることができます。お子さんに「これが髪の毛のアップだよ」とそれらの画像を見せるのも勉強になりますし、「じゃあ、断面はどうなってるの?」と新しい疑問も湧いてくるかもしれません。興味をもち、その答えを求めることが知識になりやすく、吸収しやすいものであることは他の記事でもお伝えしたとおりですが、理科は特に視覚的な驚きと解決ができる教科として楽しむことができます。

【できる範囲で実験をしてみる、実験動画を見る】

家の中で安全に実験できることというのは、実はそう多くないんです。火を使うものや切る作業を伴うものなど、小学生のお子さんが一人だけでできる実験はほとんどありません。ほとんどのご家庭には実験用の道具(顕微鏡用具一式、ビーカーやアルコールランプなどの化学実験用道具)はないでしょうから、学校の授業中に先生の指導の下で、できる範囲の実験をする程度になってしまいます。

しかし、世の中はネット社会。まだお子さんにインターネットをさせたくないと考えの場合でも、親御さんが検索し、実験動画や解説サイトを見つけることはしてもいいでしょう。それをお子さんがみて、「ほお~」とか「うわ~」と関心を持てれば、立派な教材になりますよね。

【人間の身体だけでなく、植物や動物にも興味を持たせよう】

自分の身体に起こる不思議だけではなく、食卓に並ぶ野菜の育ち方、飼っている犬や猫に食べさせてはいけない人間の食べ物、猫のひげとお父さんのヒゲの違いなど、材料はいくらでも目の前に転がっています。食べ物のありがたさを教える「食育」が注目されているといいますが、ご家庭の料理でも冷蔵庫でも、あるいはスーパーでのお買い物でも、植物の不思議を見ることができます。どんな形でも興味・関心を持たせられれば、そこから大きな可能性が生まれることを期待することができますよ。