公務員試験にも出る「ひっかけ問題」で子供の関心を誘え!

最初に、これをお読みのお父さん・お母さんに問題です。

①乗客5人が乗っていたワンマンバスに乗り、次の停留所で2人降りました。その次の停留所で3人乗り、1人降りました。更に次の停留所で4人乗りました。さて、今このバスには何人乗っているでしょうか?

②あなたはマラソンを8位で走っています。その後6位まで順位を上げ、ゴール直前で4位の人を抜いてゴールしました。さて、あなたの順位は何位だったでしょうか?

【ひっかけ問題で関心を誘う】

①の答えは、停留所ごとに考えれば解りますね。答えは「11人」です。「えっ?9人じゃないの?」と思われた方は、「自分と運転手」を数え忘れています。自分が乗った時点で、バスには乗客6人と運転手1人の7人が乗っているんです。その後は計算どおりで、7→5→7→11と変化しています。問題文の最後は、「乗客は何人」ではなく、「このバスには何人」という質問をしています。自分が乗ったこと、運転手がいることを数字で表していないために生まれる錯覚ですね。

②はもっとシンプルです。答えは「4位」。「えっ!3位じゃないの?」と思われた方は引っかかってます。4位の人を抜く前は、自分は5位なんです。4位の人を抜いたことで、自分が4位になったんですね。

このように、問題文をよく読み、状況を頭に思い描くことができるかできないかで導かれる答えも変わってきます。「状況判断」とも呼ばれるこの手の問題は、ちょっとした見落としで誤った答えを出す「ひっかけ問題」として知られています。2問とも正解できましたか?

【公務員試験にも出る、判断能力を求めるひっかけ問題】

ただのお遊び問題と感じられる方も多かったでしょう。しかし、この手の「状況判断」とか「状況分析」と言われるものは、公務員試験の一部にもなっているんです。求められているのは「状況をいかに正確に把握しているか」と、「出題者側が求めている答えの意図を理解しているか」です。昔のクイズ番組などでよく使われていた手法でもありますが、ひっかかった事をかえって楽しむことができる不思議な問題です。

このような文章問題は、ただ計算すればいいというものでもなく、イメージする力やその状況をどれだけリアルに考えることができるかも重要になってきます。算数(数学)の文章問題でも、それが応用されて活かされてきます。

【ちょっと懐かしい10回クイズも、注意力を養う事ができる】

一昔前に流行った「10回クイズ」を覚えていますか?「ピザと10回言っていて?」「ピザ・ピザ・ピザ…」「じゃあここは(ひじを指差して質問をする)」「ひざ!」「残念!ここは『ひじ』でした~」なんて、他愛のない言葉遊びですが、これは人間の反射という性質を利用したものです。一度引っかかったお子さんは、同じ問題には注意力を高めて引っかかることはなくなるでしょう。「ぴざ=ひざ」だけでなく、「~と10回言ってみて」と言われただけで、「これは裏があるな」と身構えることもできるようになるでしょう。状況判断の問題は、このような注意力と集中力を高める効果があるんです。