家族の協力なしでお子さんが勉強を好きになるのは難しい!

筆者の塾講師と家庭教師、個人的な指導の経験から、「勉強は一人で机に向かうよりも家族や友人と楽しくする方が効果が上がる」というテーマでお話をさせていただきました。もちろん一人で積極的に勉強に取り組める、優秀なお子さんも大勢いらっしゃいますし、独力で勉強法をマスターしていくお子さんもいらっしゃいます。それはとても素晴らしいことですし、それをさらに応用力として磨けていければ申し分ない勉強のスタイルを身につけることができるでしょう。

しかし、多くのお子さんは必ずどこかで壁にぶつかったり、他の誘惑に負けて勉強を疎かにしてしまう傾向が強くあります。これを解決するには、一番身近な大人であるお父さん・お母さんの協力が最も効果的です。中学に入ってから塾に行けばいいとか、勉強なんてできなくてもいいと安易に考えていると、お子さんの成長のチャンスも失ってしまうことになりかねません。

学校の勉強だけが全てではありませんが、自分で物事を考える力、相手に伝える力、そして、知識を蓄えて役に立てる力や人にそれを教える力などは、子供の頃にどのような勉強をしてきたかで大きく変わっていきます。

【大人になってわかる、教えることの難しさ】

大人になってしまうと、「これくらいのことは知っていて当然」という物の教え方をする人が非常に多くなります。インターネットでパソコンのことについて調べようとして、本題に入る前にどれだけ多くの専門用語を覚えなければいけないかを思い知らされた経験はありませんか?パソコンを使うなら、これくらいの用語は知っていて当然とばかりに、聞いたこともないような外国語が出るわ出るわ…。

子供の勉強も、これと同じことが言えます。大人にとっては「何でこんなこともわからないんだ」という事も、子供にとっては未知の世界だったりするわけです。それをいかにわかりやすく、やる気を失わないように教えることができるかは、子供の頃に同じ事をどうやって勉強したかの大人の教え方にかかっています。「お父さんに聞いてもわかんないから菊のやめた」「お母さんは怒ってばかりだし、聞くだけムダだよな」と思われてしまったらアウトです。

【協力するときに絶対NGなこと】

お子さんが勉強を楽しくするように協力する際、絶対にやってはいけないことがあります。それは、「自信過剰にさせないこと」と「自分はやってもできないんだと思わせないこと」の2点です。自信過剰になれば「勉強しなくても大丈夫」と甘く見ますし、自分はダメだと思ったら、「どうせやったって覚えられないんだ」と諦めに入ってしまいます。一緒に楽しみながら、通常の勉強もこなせるように考える。難しいようですが、大人が子供の目線に立って、お子さんの関心事に一緒になって関わってあげる。そこから簡単な問題を出してみたり、物事の説明をさせてみるだけでも、大きな違いが生まれます。

ゲームでもマンガでも、ちょっとしたことが教材になることを親御さんが把握して、加工してあげることを強くお薦めします。家族の協力があって、お子さんはやる気にもなれば勉強の大切さも知ることができます。仕事や家事で大変でしょうが、お父さん・お母さん、頑張ってください。

勉強の基本は動いて覚える!知識は体感することで頭に入る!

これまで教科別に楽しく勉強ができる方法を提案してきましたが、全ての教科に共通していることがあります。それは「実際に動くこと、感じること、そこから何かを吸収すること」です。

【やってみなけりゃわからない!】

「食わず嫌い」「机上の空論」「習うより慣れろ」「失敗は成功の母」「百聞は一見にしかず」「練習は裏切らない」…。何事もやってみてナンボの世界なんですね。特に小学校での勉強は、基本中の基本をマスターして、中学、高校の応用編に備えるという意味合いが強くあります。初歩の段階でどれだけ勉強に対する積極的な取り組みができるかが勝負を左右していると言っても過言ではないでしょう。

包丁も使ってみなければその危険性も解りませんし、上手な使い方を覚えることもできません。ボールは投げたり蹴ったりしてはじめて動くものだし、手紙は読まなければ内容を理解することはできません。ちょっと話が飛躍している気もしますが、勉強も実際にやってみて、自分にぴったりな方法を探すことが大切だということは同じなんですね。

ゲームをプレイしていて計算をすることはできるのに、算数の勉強になるとダメになる。マンガは読めるのに、国語の教科書は全く読めない。そんなときには「勉強をさせられている」という意識を取り払って、自分から楽しもうとする方向へ導いてあげることが何よりも効果を表します。今までわからなかったことも、実際の生活や関心事に置き換えて考えさせたら、「なんだ、そういうことなんだ!」と気づける子は沢山います。机の上で頭を抱えるのではなく、いろいろな状況をイメージする力と実際に自分が体感する積極性を、是非育ててあげてください。

【機会が減るとやる気は失せて伸びも悪くなる】

スポーツでもそうですが、練習に参加はしても、実践でほとんど経験をつめない子は、その競技での伸びは期待できなくなります。クラブ活動などでありがちな、「レギュラーを優先的に練習させて、一年生は玉拾い」では、成長もしないし、やる気を失くすきっかけにもなってしまいます。勉強もこれと同じ。やらなきゃ覚えることはないし、学校でついていけなくなったら諦めモードでやる気はなくなっています。「できた!」「覚えた!」という喜びの機会を減らさないこと。どんなことでもいいので、それを上手に勉強に活用させて、自分なりに考えることが楽しくなる機会を増やすこと。これができれば勉強に対する抵抗感は薄れてきますし、前へ進む努力も維持することができます。

【ゲームの楽しさは、自分が主人公になりきれること】

アクションでもシミュレーションでもパズルでも、ゲームは「自分が主人公になって、どうやってクリアしていくかを楽しむもの」なんですよね。何か知らないけど、サブキャラクターが勝手に戦ってくれるから電源だけつけとけばいいや、というゲームはないでしょうし、面白くもないでしょう。ゲームも勉強も、「自分が主人公になって、壁を突き破っていくことが楽しさにつながっている」ということは共通しています。筆者の薦める勉強法は、全て「自分が楽しんで取り組めるように」を主眼としていることに注目してみてください。

一石二鳥!?キーボードの配列とアルファベットを同時に覚える!

最近は小学校の授業で英語やパソコンを学習することもあるとか。20代以上のお父さん・お母さんには中学生以上で習っていたものが、今の子供たちは小学生のうちから覚えなければいけない項目になているんですね。

【キーボードのアルファベット配列を覚える】

個人的に、パソコンを小学生から使うことには抵抗を感じますが、カリキュラムとして組み込まれているならやらなければいけないことになります。では、まずキーボードに慣れるところから始めましょう。数字は上段の左から1~0と並んでいますし、テンキーを使えば簡単に入力ができるので問題はありません。問題になるのは、「アルファベット」と「日本語入力」ですが、できることなら日本語入力は「ローマ字入力」で覚えたいものです。

なぜかというと、「かな入力」を覚えても、英単語を入力するときには役に立たないのが一点。逆に、アルファベットとローマ字の規則を覚えさえすれば、26のキー配列を覚えるだけで日本語も英語も入力が可能になるのが一点です。因みに、「かな」と「アルファベット」を両方覚えるとなると、最低でも76の配列を覚えなければいけない上に、かな入力と英字入力のたびに、「英数キーとかなキー」を押さなければいけない面倒臭さも出てきます。

【アルファベットの配列をゲーム感覚で覚える方法】

さて、アルファベットの配列をどう覚えるかですが、A~Zまでがバラバラに並んでいるため、この配列を何とかしてクリアしなければいけません。その方法のひとつとして、「A~Zまでを何秒で入力できるか」をタイムトライアル方式で繰り返しやってみるのをお薦めします。一人で黙々とやっていても面白くないので、できればご家族が時間を計ってあげたり、一緒に競争してあげたりするのがベター。ゲームを楽しむような感覚で、キー配列を覚えることができますよ。ブラインドタッチ(見なくてもキーボードを入力できる指の使い方)を最初から覚えるのも結構なことですが、小学生のお子さんが継続してそれを続けることは難しいでしょう。まずは指一本でも構わないので、配列を覚えることに集中させましょう。

【速く打てると楽しくなってくる】

実は、キーボードのタイピングを楽しむことのできる無料のゲームなどは、ネットで検索すると沢山出てきます。それらを使って入力のスピードと正確性を養うこともできますが、小学生のお子さんには急にあれもこれも詰め込ませるのではなく、「まずはアルファベットをA~Zまで覚えること。そのためにキーボードで順番に26文字入力ができるようになること」を目標とすることをお薦めしたいわけです。基本がしっかりできるようになったら、ローマ字入力で日本語を打つことを覚えたり、速さと正確性を養っていけばいいのです。

余談ですが、筆者はブランドタッチができません。よくある「ここにこの指を使いましょう」というのが、左手薬指と小指でできないんです。しかし、ある程度キーボードは見なくても入力ができますし、A~Zまでのアルファベットを順番に入力するだけなら、5秒程度で終わっていた記憶があります。筆者がキーボードに初めて触れたのは中学3年のときでしたが、格段にスピードと正確性が上がったのは、高校に入ってからでした。それを小学生が急にできるとは思えないため、徐々に、確実にを強調するんです。そこから、「速く打てることの楽しさ」が生まれてきます。

まずはローマ字!好きなことからアルファベットを覚えよう!

英語を理解するために必要不可欠なことは、何と言っても「アルファベットを覚えること」でしょう。日本語が「あいうえお」を知らなければ話せないように、英語にとってのアルファベットは最初にマスターしなければいけない関門です。大文字で26、小文字で26の合計52。外国人がひらがなとカタカナを覚えるよりは、数字的には簡単なのかもしれませんね。

【自分や家族、友達の名前をローマ字で書けるようになろう!】

日本語をローマ字で書くことができるのは、アルファベットを覚える上で大変に便利です。まずは自分の名前や家族の名前。好きな男の子や女の子の名前でもいいですし、マンガの登場人物でもいいでしょう。そうなると、「A」「I」「U」「E」「O」は必然的に多く使いますし、逆に「P」「Q」「X」「Z」はほとんど使わなくなってしまいますが、まずは覚えられるものを確実に覚えましょう。大文字と小文字の区別がつかなくなってしまいそうな時は、大文字だけ、小文字だけを使うように意識させてみるものいいでしょう。

【駅の看板『駅標』はローマ字を覚えるのに最適!】

どの駅にも「駅標」という物があります。多くの駅標は、「前の駅と今いる駅、そして次の駅」がひらがなとローマ字と漢字で書かれています。人名では出てこない「P」や「Z」も、地名なら出てくることがあるんです。「さっぽろ(SAPPORO)」や「かなざわ(KANAZAWA)」などが良い例ですね。五十音順あるいはAから順番に覚えていく方法もありですが、身近にある物ごとをローマ字で書くことによって、多くの文字を自然とマスターすることができる方法として、考えてみてはいかがでしょうか。

【ローマ字の一覧表を作らせてから、単語に取りかかる方法も有効】

次のようなアルファベットの五十音表を作り、お子さんには各文字の組み合わせ(KとAで『か』)をカッコの中に記入させるという方法もあります。段と行はこちらで書いてあげれば、後は組み合わせるだけ。単純な作業ですから時間もかからずに五十音を埋める事ができるでしょう。それを基にして、単語をローマ字で書けるように練習するのも効果があります。

     か(K)  さ(S)  た(T)  な(N)  は(H)  ま(M)  や(Y)  ら(R)  わ(W) が(G)  ざ(Z)  だ(D)  ば(B)  ぱ(P)
あ(A) (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )
い(I)  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )
う(U)  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )
え(E)  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )
お(O)  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )  (  )

これを埋めるだけでも達成感を味わうことができます。また、解らないときにはこの表を見ながら覚えることも可能になります。自分の力で少しずつ前に進んでいることを実感させるのも、飽きない勉強をする秘訣です。

饅頭やサンドイッチの誕生秘話?食べ物から歴史をたどってみる

事件だけではなく、世の中に出回っている「物」にも歴史があります。誰かが何かのきっかけで考えつき、それが消えることなく今に伝わっている。そう考えると、身の回りにある物ひとつひとつが歴史を持っていることに気づくはずです。そして、そこから歴史への興味を持つのも面白いでしょう。

【饅頭は食べるために開発されたものではなかった!?】

秋の寒くなる頃から春の陽気でポカポカしてくるまでの間、コンビニやスーパーでよく売れる商品てなんだと思いますか?春を過ぎると一斉に姿を消す季節限定商品とも言える「中華まん」。中にはひき肉だけでなくあんこやカレー、ピザの味付けがされているものもありますよね。では、この饅頭はどのようにして生まれたのかを知っていますか?

中国は三国志の時代。ゲームでもよく登場する諸葛亮(孔明)が南の異民族征伐を終えて都へ帰還する途中でのこと。強い雨と風で大きな川が氾濫を起こし、橋は壊れて先へ進めなくなりました。このとき服従してきた異民族の首領から、「この川は49人の首を斬って川の神に捧げると氾濫が治まる」と聞き、「川が氾濫するたびに49人もの人を殺すなどあってはならない」として、料理人に「小麦をこねて皮を作り、羊や豚の肉をつめた人の頭くらいの大きさで包め」と命令を出します。これこそが「饅頭」の始まりという昔話があるんです。饅頭ははじめ、食べるためではなく川の神への捧げ物だったということですね。

【サンドイッチはギャンブル好きの貴族のために作られた特別料理!?】

諸説ありますが、サンドイッチの誕生は「サンドイッチ伯爵」という西洋の貴族が食事をする間も惜しいくらいのトランプ好きで、ゲームをしながらでも食べられる料理を考えたところ、肉や野菜をパンではさんで片手で食べられるように工夫したものだといわれています。1人のギャンブル好きな貴族のおかげで、パン料理の定番となっているサンドイッチが生まれたというのは、ゲーム好きな子供たちには興味深い話ではないでしょうか。

【徳川家康の死因は天ぷらの食あたり!?】

これも真相は定かではありませんが、徳川家康は魚の天ぷらで食あたりを起こして、それが原因で亡くなったという説があります。1616年、全国のライバルは全て片付いたのがその前年の1615年。大坂夏の陣で豊臣秀吉の子、秀頼とそれに味方をした諸勢力を倒したばかりでした。将軍の位はすでに子の秀忠に譲っていましたから、徳川家の安泰を成し遂げてホッとしたことが原因かもしれないですね。年齢も70歳を大きく過ぎていましたから、大往生だったといえるでしょう。

【身の回りのちょっとした物への興味が、歴史を紐解く鍵になることもある】

フィクションでもノンフィクションでも、身の回りにある物がどうやって誕生したのかを調べてみると、その時代背景が深く関わっていることもあり、歴史に対する知識を蓄えるチャンスでもあります。先の饅頭の話では、「中国に三国時代という時代があって、諸葛孔明という人が饅頭を発明した」ことを覚えますし、その先に「諸葛孔明とは、どんな人だったんだろう?」と興味を持つきっかけにもなるでしょう。先へ進むことができるかは、お子さん本人の関心の深さと、周りの反応が大きく左右します。その関心を失わせないためにも、お子さんにはできないネットでの調べ物などは積極的に手を貸してあげるといいのではないでしょうか。

戦国史?三国志?ゲーム好きなら歴史への入り口もくぐりやすい!

今はゲーム機の種類も沢山あり、パソコンや携帯でもゲームを気軽に楽しめるようになりました。昔はゲームセンターに行くか、ファミコンなどの限られた機械を持っていなければできなかったゲームが、今ではどこのご家庭にも当たり前のようにある時代ですから、技術の進歩とはスゴイものだなぁ…と感動すら覚えます。

【歴史ゲームにハマったら、歴史の勉強はもらったも同然!】

ゲームの種類でも、シミュレーションゲームや歴史を題材にしたアクションゲームを好むようになれば、歴史への扉は開けたも同然。スラスラと頭の中に入っていくでしょう。特に、日本の戦国時代や中国の三国時代をモチーフにしたものは数も多く、それなりに歴史を基に作られているので、登場人物や時代背景を覚えることができるでしょう。問題は、ゲームを超えて、知識としての歴史を好きになれるかどうかです。

【年号よりも事件の中身と意義を中心に考えてみる】

これは、よく塾の生徒に話していたことですが、「1600年に起きた関ヶ原の戦い」は、1600年に起きたことが重要なのではなく、この戦いによって200年以上に及ぶ江戸時代の道が開けたことこそが重要なんです。とかく歴史のテストでは、年号や事件名、主要人物の名前を覚えなきゃ点数が取れないようになっていますが、歴史を学ぶ本当の意味は、その事件はなぜ起きて、その後どのような影響を与えたのか。登場人物たちはどのような考えで事件に関わっていったのかだと考えます。そして、これを考えることができれば、年号や人名などは覚えようとしなくても自然に覚えられるものです。

【ゲームの登場人物や地名は覚えやすい】

ゲームに出てくる登場人物は、それがメインキャラクターでなくても簡単に覚えることができる特長を持っています。RPGゲームなどでイヤというほど出てくる初級~中級レベルの怪獣の名前などがいい例でしょう。戦国時代のシミュレーションなどでは、織田信長や武田信玄といった有力大名だけでなく、石山本願寺(顕如)や大友宗麟、津軽為信などの地方の大名、波多野秀治や神保長保といったすぐに滅ぼされてしまう小勢力の大名までがピックアップされ、戦国時代の登場人物を覚えるには適した教材になることも。そして、ゲームを進めるうちに「次は伊予を攻めるかな」とか「越後の上杉は手ごわいから後回しにしよう」といった具合に、自分が戦国大名になった気分で地理や人名にも自然と溶け込める良さがあります。

【1人でもお気に入りの人物を持てるとその時代背景までを読み解くことができる!】

ゲームだけに限らず、歴史上の人物を1人でも味方につける(興味を持つ)ことができたら、その時代の半分は理解できるようになります。聖徳太子でも平清盛でも、石田三成でも徳川吉宗でも、西郷隆盛や坂本龍馬でも構いません。だれか1人の生涯に関心を持ち、それを自分で調べようとする気になれたら、時代背景や周囲の人達までも理解し、自分なりの評価(単純に好き嫌いでもOK)をすることができます。ある一時期でも詳しくなれれば、他の時代を学ぶことに大きな抵抗を感じることも少なくなります。

これはどこ?関心のあることを利用した、都道府県の覚え方

一昔前、「うろ覚え日本地図」というのがネット上で話題になったのをご存知でしょうか。なんでそんなとこにそんな地名が入るの?と大笑いしてしまうような珍回答がネット上で広まったというものですが、できることなら自分のお子さんにはそうなって欲しくはないですよね。

【興味のあることから地名を覚える】

日本には47の都道府県と、同じ数の県庁所在地があります。その他の市町村も含めるととても全ては覚え切れません。しかし、都道府県と主要都市くらいは、一般常識として覚えておきたいものです。だからといって、算数の九九を覚えるような暗記式での勉強方法では飽きがきますし、限界も出てきます。北海道や沖縄など目立つところならまだしも、地元でない方には「山形と秋田」「鳥取と島根」「佐賀と長崎」「神奈川と静岡」「栃木と群馬」など、どっちがどっちだっけ?と迷うことも少なくありません。(ご当地の皆さん、すいません)。

47のことを覚えるというのは、簡単そうで難しいこと。しかし、1つ1つを確実に覚える方法があったとしたら、難しさも和らいでいきます。例えばサッカーや野球、バスケットボールのクラブチームの所在地を地図で覚える。プロ野球なら、それで11の都道府県を覚えられます。日本ハムは北海道(札幌)、東北楽天は宮城(仙台)、中日は愛知(名古屋)という感じですね。サッカーJリーグになると、その数もグンと増えますから、サッカー好きなお子さんは覚えるチャンスは沢山あるでしょう。

好きな芸能人の出身地で覚える方法もあります。読んでいるマンガや小説の登場する場所でもいいですね。興味のあることの所在地を調べてみるというのは、非常に効率よく地名を覚えるきっかけになります。関心のあることならば、多少手間がかかっても調べる気になれる。この「やる気」を大切にしてあげたいものですね。

【きちんと覚えているかのテストで、苦手意識のある場所を特定する】

ある程度覚えた頃、白地図に各都道府県の名前を書き込んでもらうと苦手意識のある場所を特定することができます。流石に自分の住んでいる周辺と北海道や沖縄、鹿児島や青森など、特徴のある所は間違えないと思いますが、お子さんの中で「ここははっきりと覚えていないな」と自覚できる場所があったら、後はその部分だけを集中的に覚えればいいんです。おそらくその場所は、お子さんにとって特徴を掴めない場所でしょうから、お父さん・お母さんが特徴的な事柄を見つけて教えてあげるのが理想的ですね。

覚えられる都道府県と覚えられない都道府県の差は、「親近感」の有無だと思われます。より親近感の持てるヒントをお子さんに与えることができれば、苦手な場所もクリアになっていくでしょう。親御さんの腕の見せ所ですね!

【都道府県を制覇したら、次は県庁所在地!】

47都道府県を完全に覚えられたら、次は県庁所在地です。多くは県名と一緒の都市名(新潟県の新潟市、大阪府の大阪市、京都府の京都市など)ですが、県名と県庁所在地名が違うところ(宮城県の仙台市、栃木県の宇都宮市、香川県の高松市など)は覚えるのに苦労するかもしれません。そんなときには、「同じ県と違う県」を別々の表にしたり、地図を色分けするなどして、視覚的に覚えられるサポートをするのも一つの方法です。こちらも苦手な場所を集中的に覚えられるようにすると、効果は上がりますよ。

水は何℃で氷?お湯は最高何℃?おやつを食べながら理科の話

唐突ですが、暑い夏にはカキ氷ですよね!ハンドルをグルグル回してカキ氷を作る機械をお持ちのご家庭は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?あれ、子供には難しいんですよね。大人になってみると、軽い力でもサクサクと出てくるサラサラの氷も、子供が回すとうまく回転しないばかりか、なかなかサラサラの氷が入れ物に積もってくれないんですよね…。

【水はなぜ凍るの?】

そんなカキ氷も、最初は水から作られているのはお子さんもご存知でしょう。冷蔵庫の冷凍室で氷を作り、それを手で回す機械でカキ氷にする。夏の楽しみのひとつですが、さて、その氷はどうやったらできるものなんでしょう?もちろん、「冷凍庫に入れておけばいい」というのが答えなんですが、そこから更に踏み込んで、「なぜ、冷凍庫に水を入れたら氷になるのか」を突き止めさせなければいけません。

多くの子は、「冷凍庫は冷たい(寒い)から」という事には気づいているでしょう。水は周りが冷たければ(寒ければ)氷になるものだ、までは理解しているという事ですね。では、一体どれくらい寒ければ水は凍るんでしょう?ここで「水は0℃になると凍り、氷は0℃になると溶け出す」ということを話すことで、一般知識を積み上げることにもつながっていくんですね。

【勉強としてではなく、世の中のことを知識として吸収する】

沸騰したお湯も同じことが言えます。「ピ~ッ!」と音の出るやかんがありますよね?あの音が良い教材になるんです。音で水の最高温度である100℃になったことが解ると教えることができますから、何気ない会話の中での雑学として頭に入れることができるでしょう。

【水銀式体温計の上限は何℃?】

水銀式の体温計を今でも使っているご家庭はあるでしょうか。今の親御さんでも、あまり見たことがないかもしれませんが、昔の体温計はデジタルで「ピピッ」とお知らせしてくれるようなものではなく、水銀が指し示した目盛りの値で体温を測っていたんですね。水銀式体温計は、多くが42℃までしか表示されていません。50度でも45度でもなく、「42℃」なんです。なぜかというと、人間は体温を42℃までしか上げることができないといわれているからなんですね。つまり、どんなに高熱になっても、42℃まで上がったら死んでしまうんです。そのため、水銀式の体温計は42℃までしか目盛りがないと言われています。

【ドライヤーの熱で髪は焦げるけど、ヒゲは焦げない】

熱を簡単に発する道具のひとつ、ドライヤー。これを頭に近づけて数秒固定していると、髪の焦げた臭いがしてきます。しかし、お父さんのヒゲにドライヤーをあてても、先に厚くて耐えられなくなるだけで、ヒゲは焦げません。同じ「毛」なのに、細い髪は火に弱く、太いヒゲは熱に強いんですね。(だからといって、実際に試すのは危険ですからやめましょう!)

このような実生活の中にある「当たり前だけど、よく考えたら不思議な現象」を、勉強としてではなく人間が生きていくための知恵として吸収できるように導いてあげるのも、親子だからこそできることだと思いませんか?

髪の毛はなぜ伸びる?身体への関心は理科好きへの第一歩

これをお読みのお父さん・お母さんは、理科はお得意だったでしょうか?高校になると生物・化学・物理と細分化されますが、小中学校では基本的に「理科」と一教科にまとめられていますよね?この教科は日頃の何気ない疑問が興味や関心につながって、それを調べてみよう、解明してみようと行動に移せるかがカギになります。

【髪の毛や爪はなぜ伸びる?】

非常に大雑把な質問ですが、髪の毛はなぜ伸びるんでしょう?お父さんのひげはなぜ伸びるのに、お母さんにはひげがないんでしょう?手や足の指に生えている爪はどうして途中から白い色になって伸びるんでしょう?身体の中で起きている当たり前の現象を、「なぜなんだろう?」と考え始めることができたらチャンスです。

人間の髪の毛やひげが生えてくるのは、皮膚の奥にある毛母細胞に血液が栄養を運んできて、そこから毛の形となる細長い物体が成長をしていくしくみになっているんですね。のびている毛は硬質ケラチンと呼ばれる物質に満たされて死に、後から後から作られる新しい毛に押し出されて皮膚から出てきます。普段見ている髪の毛やヒゲは、黒い(たまに白い)一本の線ですが、顕微鏡でみてみると細かなウロコが綺麗に並んでいる集まりだということが解ります。このウロコのことを「キューティクル」といい、綺麗に並んでいなかったりめくれ上がっていたりすると、髪の毛は傷ついている状態です。

このように、髪の毛の仕組みや構造を伝えることはできます。そして、最近はインターネット画像で多くの顕微鏡写真も見ることができます。お子さんに「これが髪の毛のアップだよ」とそれらの画像を見せるのも勉強になりますし、「じゃあ、断面はどうなってるの?」と新しい疑問も湧いてくるかもしれません。興味をもち、その答えを求めることが知識になりやすく、吸収しやすいものであることは他の記事でもお伝えしたとおりですが、理科は特に視覚的な驚きと解決ができる教科として楽しむことができます。

【できる範囲で実験をしてみる、実験動画を見る】

家の中で安全に実験できることというのは、実はそう多くないんです。火を使うものや切る作業を伴うものなど、小学生のお子さんが一人だけでできる実験はほとんどありません。ほとんどのご家庭には実験用の道具(顕微鏡用具一式、ビーカーやアルコールランプなどの化学実験用道具)はないでしょうから、学校の授業中に先生の指導の下で、できる範囲の実験をする程度になってしまいます。

しかし、世の中はネット社会。まだお子さんにインターネットをさせたくないと考えの場合でも、親御さんが検索し、実験動画や解説サイトを見つけることはしてもいいでしょう。それをお子さんがみて、「ほお~」とか「うわ~」と関心を持てれば、立派な教材になりますよね。

【人間の身体だけでなく、植物や動物にも興味を持たせよう】

自分の身体に起こる不思議だけではなく、食卓に並ぶ野菜の育ち方、飼っている犬や猫に食べさせてはいけない人間の食べ物、猫のひげとお父さんのヒゲの違いなど、材料はいくらでも目の前に転がっています。食べ物のありがたさを教える「食育」が注目されているといいますが、ご家庭の料理でも冷蔵庫でも、あるいはスーパーでのお買い物でも、植物の不思議を見ることができます。どんな形でも興味・関心を持たせられれば、そこから大きな可能性が生まれることを期待することができますよ。

「こそあど」を理解して、文章の理解力を高めよう!

今回は国語のテストに関するお話をします。特に中学・高校のテストになって出てくる問題に、『線①の「この」とはどの部分を指していますか。前の段落から10文字以内で抜き出して答えなさい。』といったような「こそあど」に関する理解度を求めてくるものがあります。それらは一見大した事ではないように感じられますが、実は話の内容で大きな役割を果たす事があるんです。

【「こそあど」の重要性】

「この・その・あの・どの」をひとまとめにして、「こそあど」と教える学校や先生がいます。全てそれだけでは意味を成さない、何かを指し示している補助的な言葉ですよね。これが国語のテストでは実に問題にしやすいんです。しかも、話の中で重要な部分を理解しているか試す問題でもあるため、「こそあど」が何を示しているのかはしっかりと掴む必要があるんです。

【順接・逆接を示す言葉の重要性】

「こそあど」が何かを指し示す上での重要な言葉として重要なように、「そして」「それから」「さらに」「また」などの前の文を受けて話が発展していくきっかけになる言葉や、「だが」「しかし」などの前の文とは反対の方向に話が変わる言葉も文章を理解する上で大切になっています。そして、これも国語のテストで問題にしやすいんです。『文章の中で、話が大きく変わっている部分があります。その最初の文を20字以内で抜き出しなさい』といった具合に、文章全体の流れを掴んでいるかを試す問題に多いのが、この「順接・逆接」の言葉を理解しているかなんですね。

【実況してみる】

「は?」と思われる見出しですが、何かの物事を実況してみるというのは「こそあど」や「順接・逆接」を使いこなすには有効な手段なんです。プロレスやボクシング、柔道などで、一見有利と思われる選手が一転して返し技にかかってピンチになるシーンを見たことがあるでしょう。それを実況すると、「さぁ!○○選手が得意の背負い投げの体勢に入った~!あ~っと!『しかし』バランスを崩して倒れこんでしまった!!△△選手、押さえ込みに入りました!『これ』は○○選手大ピンチだ~っ!」

とても解りやすいと思いませんか?前半で○○選手圧倒的有利な話が、『しかし』で一転。△△選手の押さえ込みで大ピンチに陥ったというシチュエーションが、簡単に作れてしまうんです。実際のスポーツ中継でもいいですし、ゲームや遊びのワンシーンを思い出して文章にしてみるのもいいでしょう。やり方は沢山ありますが、結果として「それらの用語を上手に使いこなせることができればいいんです」。

【マンガや小説は「こそあど」と「逆接」だらけ】

マンガにしても小説にしても、頻繁に「こそあど」が使われます。いちいち対象になる単語を使うのはナンセンスですから、自然と「こそあど」の出番も多くなります。さらに、ストーリーを形成する上で、最初から最後まで順風満帆、何の問題もなく話が終わってしまうようでは面白くありません。4コママンガでも長編小説でも、多くは「話の転換や立場の逆転」で盛り上がり、ハラハラドキドキし、最後は「あ~、面白かった」と感じることができます。これも「逆接」を上手く利用しているからなんですね。